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育児休業給付は条件を満たせば合計80%【2026】手取り10割相当・13%上乗せと上限332,454円

育児休業給付を表すベビーカー、傘、給付の輪、カレンダーの紙工作風イラスト お得ワザ
育児休業給付と出生後休業支援給付の仕組みを表したイメージ。※AIで作成した画像です。

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「育休中の給付率は休業前賃金の67%」と覚えている方が多いのですが、2025年4月に上乗せの給付ができて、条件を満たすと最大28日間は合計80%になりました。厚生労働省はこれを「手取り10割相当」と説明しています。

この記事では雇用保険から出る4つの給付を、厚生労働省とハローワークのパンフレットをもとに整理します。金額はすべて令和8年8月1日に改定された後の額(=令和9年7月31日までの額)です。離職したときの基本手当(いわゆる失業保険)は失業保険(基本手当)はいくら・いつからにまとめています。

雇用保険から出る給付は4つある

まず全体像です。厚生労働省は育児休業等給付としてこの4つを挙げています。

給付金いつの話か給付率
出生時育児休業給付金(産後パパ育休)子の出生後8週間の期間内・通算28日まで67%
育児休業給付金原則1歳未満の子を養育するための育児休業67%(開始から181日目以降は50%)
出生後休業支援給付金上の2つに上乗せ・最大28日+13%
育児時短就業給付金復帰後、2歳未満の子のための時短就業各月の賃金額の10%

★出生後休業支援給付金と育児時短就業給付金は、2025(令和7)年4月1日に創設されたばかりです。それより前の情報しか見ていないと、この2つが丸ごと抜けます。

なお出産育児一時金と出産手当金は健康保険の給付で、この記事で扱う雇用保険の給付とは窓口が別です。厚生労働省のパンフレットにも「出産手当金につきましては、ハローワークが取り扱う制度ではありません」と書かれています。出産育児一時金と出産手当金の金額や条件は出産でもらえるお金にまとめました。生まれたあとの児童手当(支給額・支給月・申請)は児童手当は高校生年代まで月1万〜3万円にまとめました。

育児休業給付金:67%、181日目から50%

計算式はこうです。

育児休業給付金の支給額 = 休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%(育児休業開始から181日目以降は50%)

休業開始時賃金日額は、育児休業の開始前(産前産後休業を取得した方は原則として産前産後休業の開始前)直近6か月間に支払われた賃金の総額を180で割った額です。臨時に支払われる賃金と、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は除きますので、ボーナスは入りません。

もらえる条件

  • 1歳未満の子を養育するために育児休業を取得した被保険者であること(2回まで分割取得可)
  • ★休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある(ない場合は賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上の)完全月が12か月以上あること
  • 一支給単位期間中の就業日数が10日(10日を超える場合は就業した時間数が80時間)以下であること
  • (有期雇用の方)子が1歳6か月に達する日までに労働契約の期間が満了することが明らかでないこと

★産後休業(出生日の翌日から8週間)は育児休業給付金の対象外です。この期間は健康保険の出産手当金の領域になります。

休業できる期間は原則として子が1歳に達する日の前日までですが、パパ・ママ育休プラス制度を使う場合は1歳2か月、保育所における保育の実施が行われない等の場合は1歳6か月または2歳まで延びると案内されています。

出生時育児休業給付金(産後パパ育休)

「子の出生日または出産予定日のうち早い日」から「子の出生日または出産予定日のうち遅い日から起算して8週間を経過する日の翌日」までの期間内に、4週間(28日)以内の産後パパ育休を取得した場合の給付です。2回まで分割取得できます。

出生時育児休業給付金の支給額 = 休業開始時賃金日額 × 休業期間の日数(28日が上限)× 67%

休業中に働くこともできますが、就業日数が最大10日(10日を超える場合は就業した時間数が80時間)以下という条件があります。★この「最大10日」は28日間休んだ場合の数字で、休業期間が短ければその日数に比例して短くなります。厚生労働省は14日間の休業なら最大5日(5日を超える場合は40時間)という例を挙げています。

★2025年4月にできた「出生後休業支援給付金」で合計80%になる

これが今いちばん知られていない給付です。出生時育児休業給付金または育児休業給付金を受ける方が、一定の要件を満たすと13%が上乗せされます。

出生後休業支援給付金の支給額 = 休業開始時賃金日額 × 休業期間の日数(28日が上限)× 13%

67%+13%=80%です。厚生労働省のパンフレットは、この80%を「手取り10割相当」と説明しています。理由も明記されています。

育児休業中は申出により健康保険・厚生年金保険料が免除され、勤務先から給与が支給されない場合は雇用保険料の負担はありません。また、育児休業等給付は非課税です。このため、休業開始時賃金日額の80%の給付率で手取り10割相当の給付となります。

★「手取り10割相当」は、健康保険・厚生年金保険料の免除、勤務先から給与が支給されない場合の雇用保険料負担なし、育児休業等給付の非課税を加味した説明です。ただし、住民税は前年の所得に基づくため、育休中も別途支払いが必要になる場合があります。また、パンフレットには「休業開始時賃金日額の上限額があることにご留意ください」という注記も付いています。

その「10割」の中身は、厚生労働省が審議会に出した資料にモデル例として載っています(令和6年1月12日時点・30歳・東京都勤務在住・月の給与30万円の例)。

項目金額
働いているときの手取り額(給与30万円から厚生年金・健康保険・雇用保険・所得税・住民税を引いた額)236,930円
給付率80%の場合(300,000円×0.80−住民税12,741円)227,259円(手取り額の約0.959)
給付率67%の場合(300,000円×0.67−住民税12,741円)188,259円(手取り額の約0.795)

★このモデル例でも、住民税を差し引くと約0.96で、ちょうど10割ではありません。資料自体も「約10割」と書いています。「手取り10割相当」は「働いていたときの手取りとほぼ同じ」という意味で読むのが正確です。なおこれは令和6年1月時点のモデル例の数値で、この記事の令和8年8月改定後の上限額とは別のものです。

★配偶者の要件が分かれ目になります

出生後休業支援給付金には要件が2つあります。

  1. 同一の子について、対象期間に通算して14日以上(出生時育児休業給付金または育児休業給付金が支給される休業を)取得していること
  2. ★配偶者も対象期間に通算して14日以上の育児休業を取得したこと、または子の出生日の翌日において「配偶者の育児休業を要件としない場合」に該当していること

その「配偶者の育児休業を要件としない場合」として、厚生労働省は次の7つを挙げています。

  • 配偶者がいない(行方不明の場合も含むが、勤務先で3か月以上無断欠勤が続いている場合または災害により行方不明となっている場合に限る)
  • 配偶者が被保険者の子と法律上の親子関係がない
  • 被保険者が配偶者から暴力を受け別居中
  • 配偶者が無業者
  • 配偶者が自営業者やフリーランスなど雇用される労働者でない
  • 配偶者が産後休業中
  • 1〜6以外の理由で配偶者が育児休業をすることができない

★ここで父親と母親の立場が変わります。厚生労働省は「配偶者が子を出産している場合(被保険者が父親、かつ、子が養子でない場合)は、子の出生日の翌日時点で配偶者が…(主に「4.配偶者が無業者」「5.配偶者が自営業者やフリーランスなど雇用される労働者でない」「6.配偶者が産後休業中」のいずれか)に該当するため、②の要件を満たすことになります」と説明しています。

つまり父親(子が養子でない場合)が受け取るときは、配偶者である母親が産後休業中などに当たるため、②の要件を満たすことになります。一方、★母親が受け取る場合は、父親が14日以上の育児休業を取るか、上の1〜7のどれかに当てはまる必要があります。父親が育児休業を取らず、1〜7のどれにも当たらなければ、母親への13%の上乗せは付きません。

★対象期間が父と母で違います

どちらが受け取るか対象期間支給日数
産後休業をしていない場合(父親など)「子の出生日または出産予定日のうち早い日」から「遅い日から起算して8週間を経過する日の翌日」まで最大28日
産後休業をした場合(母親)同じ起点から「遅い日から起算して16週間を経過する日の翌日」まで最大28日

母親の対象期間は16週間です。なお母親は出生日の翌日から8週間が産後休業で、この期間は育児休業給付金の対象外です(上の「もらえる条件」の項)。支給日数の上限は、どちらも28日です。

復帰後の「育児時短就業給付金」

2歳に満たない子を養育するために所定労働時間を短縮して就業した場合、賃金が低下するなど一定の要件を満たすと受け取れます。

育児時短就業給付金の支給額は、原則として次のとおりです。育児時短就業中の各月に支払われた賃金額 × 10%

ただし支給額と各月に支払われた賃金額の合計が、育児時短就業開始時の賃金額を超えないように支給率を調整するとされています。時短にして減った分を丸ごと埋める制度ではありません。

支給限度額は484,121円で、支給対象月に支払われた賃金の額がこの額以上のときは支給されません。最低限度額は2,562円で、算定額がこれを超えない場合も支給されません。

上限額と下限額(令和8年8月1日改定)

給付には上限があります。毎月勤労統計の平均定期給与額の増減をもとに、毎年8月1日に改定されます。次の額は令和9年7月31日までの額です。

項目金額
休業開始時賃金日額の上限/下限16,540円/3,203円
休業開始時の賃金月額の上限/下限496,200円/96,090円
育児休業給付金の支給上限額(支給日数30日・67%)332,454円
同(支給日数30日・50%)248,100円
育児休業給付金の支給下限額(30日・67%/50%)64,380円/48,045円
出生時育児休業給付金の支給上限額(28日・67%)310,290円
出生後休業支援給付金の支給上限額(28日・13%)60,205円
同 支給下限額(28日・13%)11,658円
育児時短就業給付金の支給限度額/最低限度額484,121円/2,562円

★賃金が上限額を超えている方は、実際の賃金ではなく上限額を使って計算されます。給与が高い方ほど、額面80%=手取り10割という計算からは外れていきます。上の注記で厚生労働省が念を押しているのはこの点です。

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見落としやすいところ

  • ★181日目から50%に下がります。しかも出生時育児休業給付金が支給された日数は、育児休業給付金の給付率67%の上限日数である180日に通算されます
  • ★出生後休業支援給付金の13%は最大28日分だけです。産後パパ育休ですでに支給を受けている場合は、その日数を差し引いた日数が上限になります
  • 就業しすぎると不支給になります。厚生労働省は28日の産後パパ育休で14日(112時間)就業した例について、「全期間を通じて出生時育児休業給付金は不支給となります」と書いています
  • ★出生時育児休業給付金または育児休業給付金が不支給になった場合、出生後休業支援給付金の支給も行われません
  • 配偶者が雇用保険の被保険者の場合、ハローワークが配偶者の給付金の支給決定を確認します。そのため配偶者の給付が支給された後に申請することになります
  • 社会保険料の免除は自動ではありません。事業主が年金事務所へ申し出る手続きが要ります

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先に確認しておく5つ

  1. 休業開始日前2年間に、条件を満たす完全月が12か月以上あるか。ここが給付そのものの入口です
  2. ★配偶者が14日以上の育児休業を取るか。母親が13%の上乗せを受けるときは、ここが効きます
  3. 自分の賃金が上限額を超えていないか。超えていると「手取り10割相当」の計算からは外れます
  4. 休業中にどれだけ働く予定か。10日(80時間)を超えると不支給になります
  5. 勤め先が社会保険料免除の申し出をしてくれるか。申し出がなければ免除されません

まとめ

  • 育児休業給付金は67%、開始から181日目以降は50%
  • ★2025年4月創設の出生後休業支援給付金が13%上乗せされ、最大28日間は合計80%
  • ★厚生労働省はこの80%を「手取り10割相当」と説明。社会保険料の免除・雇用保険料負担なし・給付の非課税を加味した表現で、住民税は別途納付が必要な場合がある
  • ★上乗せには配偶者の要件がある。母親が受け取る場合は、父親が14日以上取るか例外に当てはまる必要がある
  • 対象期間は産後休業なし(父など)で8週間、産後休業あり(母)で16週間。支給日数はどちらも最大28日
  • 支給上限額(令和9年7月31日まで)は、育児休業給付金が支給日数30日で332,454円、出生後休業支援給付金が最大28日で60,205円
  • 復帰後は育児時短就業給付金(2歳未満・各月の賃金額の10%)がある
  • 出産育児一時金と出産手当金は健康保険の給付で、窓口が別

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確認した公式情報

本記事は制度の紹介であり、個別の支給額や受給可否を保証するものではありません。実際の判定は雇用保険の加入状況、休業の取り方、就業日数、配偶者の状況によって変わります。支給額には上限額・下限額があり、賃金額によっては本文の計算どおりになりません。ご自身の受給資格と金額は、勤務先の担当部署と、事業所を管轄するハローワークにご確認ください。出産育児一時金・出産手当金と、社会保険料免除の詳細な手続きは健康保険・厚生年金の制度であり、この記事では扱っていません。

最終確認日:2026年9月25日。金額は令和8年8月1日改定後(令和9年7月31日までの額)です。支給限度額は毎年8月1日に改定されます。ご利用前に厚生労働省・ハローワークの公式サイトで最新の情報をご確認ください。

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